神戸新聞・明石版 1993年5月25日・朝刊
[見出し]
夫婦で無店舗書店 会員制で業績伸ばす 西新町の山田さん
キメ細かさがうける
注文に応じ配達
ミニコミ紙を発行 良書の情報も提供
[リード]
 郊外型や大型化する書店のなかで、雑誌を置くコンビニエンスストアなど新しいライバルも現れ、町なかの中小書店には厳しい時代だが、無店舗で注文に応じて本を配達する明石市内の会員制書店が不況にも負けず、会員数を伸ばしている。 ミニコミ紙も発行し、今春からは良書を選んだ「絵本50選」を掲載し、「これからは本について一層の情報提供を手掛けたい」と意欲を見せている。

[本文]
 西新町2の「ヒントブックス」は、山田利行さん(42)と妻の輝子さん(46)の2人きりの書店。学生時代に読書相談や文献探索などのレファレンス・サービスを学んだ利行さんが「本を通して良い情報を届けたい」と書物にかかわる仕事を考えたが、店を構えると経費がかかる。会員制にして、たとえ小さくても本についてきめ細かいアドバイスのできる店を、と9年前に無店舗の書店を夫婦で始めた。
 明石と神戸市内の会員宅を、注文があれば毎週2回、2コースに分けて、1日がかりで配達して回る。
 「料理のレパートリーを増やしたいからピザの本を探してほしい」「手紙の書き方の参考にできる本は」など会員からの"特注"や質問にも無料で応じる。また手書きの手紙をつけたり、会員との通信にミニコミ紙を作り、問い合わせへの回答や本についての情報を掲載。こうしたサービスが好評で、特に宣伝などはしなかったが、次第に口コミなどで知られるようになった。
 会員数は70人ほどだったのが、現在は30代以上の女性を中心に約150人と倍増。 なかには東京などからわざわざ注文してくる会員もいるという。
 山田さんは「将来はブックアドバイザーというよリ、もっと幅広く情報アドバイザーのようになりたい。本屋も個性が問われる時代。健康問題や環境問題などの良い本を選んで会員読者へアドバイスしていきたい」と張り切っている。

当ページ再掲載時の注釈
  • 原文は写真は1枚ありましたが、割愛しています。
  • 原文は縦書き。横書きにするために漢数字を一部 算用数字に書き直しました。 

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